コスト・パフォーマンスより「エネルギー」パフォーマンス

アイデア

 

今日の落書きアートは「Good Vibes Only」。

アメリカの街中で見かける「Good ◯◯ Only」、つまり「ここには良い◯◯しか置いてませんよ!」という店先の看板をもじった、

「ここでは良い雰囲気しか感じませんよ!」といった意味のフレーズです。

 

ビジネスは「エネルギーの循環」

ビジネスがうまくいっている経営者や事業主は、

売上や利益、商品やサービスのクオリティなど「目に見える」ものに加えて、

エネルギーや雰囲気といった「目に見えない」ものも、大切にしています。

 

例えば、僕のクライアントの一人は、

お店で働いているスタッフがお客様と話しているときの声音や受け答えの様子だけで、

そのスタッフがプライベートで悩みや問題を抱えていることを見抜いたりします。

 

そういう経営者や事業主が「目に見えない」ものを感じとって、大切にしているのは、

ビジネスは人と人との「エネルギーの循環」によって成り立っていて、その循環からお金が生み出されると考えているからです。

 

「エネルギーの循環」などと言うと、なにか怪しいものを感じるかもしれませんが、

あらゆる人間の営みには、かならずエネルギーが関わっています

そのエネルギーのことを、意志や意欲、楽しさや情熱、思いやりや配慮、誠意や感謝、共感などといった、

それぞれの状況に合った別の言葉で表現しているだけです。

 

そして、良いビジネスとは、

優れた商品やサービス、効果的で効率的なビジネスの仕組み、優秀なスタッフが、

良いエネルギーによって結び付けられ、有機的に働いている、一種の生命体のようなものです。

 

「費用対効果」は必ずしもエネルギーを高めない

エネルギーの流れに敏感な経営者や事業主は、

それをやることによって、よりエネルギーが増幅される行動にエネルギーを注ぎます。

 

例えば、何かのイベントを企画しているときに、

そのイベントの収支面、いわゆる「費用対効果」ではなく、

イベントで中心的な役割を担うスタッフが「心から楽しめる」ものかどうかを重視して、判断を下すのです。

 

もちろん、そんな経営者や事業主が、

イベントの「費用対効果」や「コスト・パフォーマンス」を無視しているということではありません。

赤字が続けば、どんなビジネスでもいずれ続けられなくなることは当たり前です。

 

しかし、「費用対効果」のように「目に見える」ものだけにフォーカスして、

そのイベントに携わるスタッフが心底楽しむことのできない、

つまり、どこかに「やらされ感」が残っている、持てるエネルギーをすべて注ぎ込めないようなイベントでは、

そのイベントに参加したお客様にも楽しんでもらうことはできない、と考えているのです。

 

「参加無料」のイベントが、なぜお金を生み出すのか?

僕が先日、大阪・心斎橋に観にいった黒田征太郎さんのライブ・ペインティングも、

何よりもまず、黒田征太郎さんを始めとする演者と運営スタッフの皆さんが、心から楽しんでいました。

黒田征太郎さんライブ・ペインティング 20180218 @KAKIBA

 

そのエネルギーは、観ているこちら側にも当然、伝わってきます。

音響装置のトラブルが続くなど、イベントの「完成度」には疑問が残るものでしたが、

そんな些細なことなどどうでもいい、とにかくこの場にいることができて本当に楽しい!と思えるものでした。

 

イベント自体は参加無料でしたが、

「金額はいくらでも構わないので、お気持ちだけで・・・」と観客の中を回ってきた箱には、次々とお札が入っていきます・・・(中には1万円札も!)

最後は、アマゾンの宅配ボックスくらいある箱から、お札が溢れそうになっていました。

 

本来は「参加費:無料」で収入が見込めないはずのイベントでも、

主催者の方々がイベントに注ぎ込んだピュアなエネルギーが、その「リターン」を生み出したのです。

 

まとめ:エネルギー・パフォーマンスを上げよう

成功している経営者や事業主は、自分自身やビジネスのエネルギーを高める「習慣」を持っています。

イベントの費用対効果よりも「心から楽しめるかどうか」を重視するというのは、その一つに過ぎません。

そんな方々の言動をしっかり観察して、どうやってエネルギーを高め続けているかを学び、

さらに自分でも実践してみて、自らのエネルギーを高めていくことが、

ビジネス書を何百冊も読むことより、ずっと成長のスピードを早めてくれるのかもしれません。

 

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。