本を読むだけでは時間とお金のムダ?「アイデア読書」10の方法

アイデア

あなたは何のために「本」を読みますか?

どうせ時間とお金をかけて本を読むなら、単に満足感を得たり、その本の感想を述べるだけじゃなく、あなたの仕事と生活に良い変化を起こすキッカケにしたいですよね。

そんな変化を生み出すアイデアを出して実行するための読書、いわば「アイデア読書」を実行するための10のアプローチをご紹介します。

 

1.小分けにして読む

「アイデア読書」は、アイデアを出して実行することが目的であって、知識をアタマに詰め込むことが目的ではありません。

本のどの場所から読み始めても構いませんし、アイデアを出すのに十分な分量だけを読めばOKです。

それは、数十ページかもしれませんし、もしかすると、あるページの数行だけかもしれません。

  • 「この発想は面白い!」
  • 「こんなアイデアは、考えたこともなかった・・・」
  • 「これは自分の仕事にも使えるやり方かもしれない」

そんなアイデアの欠片がアタマに湧き出してきたら、そこで読むのをいったんストップしましょう。

 

2.提案されているアイデアを実行するためのアイデアを出す

あなたの仕事や生活で使えそうな戦略やテクニックを見つけたら、それをさっそく実行するための方法を考えてみましょう。

1つだけでなく、少なくとも10個は書き出します。(このブログの過去記事「毎日アイデアを出すことの10の利点」も参照してみてください)

書き出したら、その中からすぐに実行できるものを1つ選んで実行に移しましょう。

もし15分以内に行動に移せるアイデアがなければ、書き出したアイデアをさらに細かく分解して、短時間でできるアクションを作り出します。

本に書かれていることをすぐに実践することで、それ以降は「当事者」として、行動を前提とした読書をするようになり、より多くの気付きとヒントが得られます。

書き出したアイデアの残りも、本を読み進めながら、必要であれば修正・追加して、1つずつ実行していきましょう。

 

3.提案されているアイデアをアレンジする

本に書かれている戦略やテクニックを実行しようと思っても、書かれているままのやり方では、あなたが直面している状況には向いていないかもしれません。

あなたが置かれている環境では、本の中では示されていない問題や障害があるかもしれません。

そんなときは、本で提案されているやり方を、あなたの状況に合うようにアレンジしてみましょう。

何通りものアレンジを考えてみることで、効果のある方法が見つかるかもしれませんし、オリジナルのやり方を超えたあなた独自のやり方が見つかるかもしれません。

 

4.印象に残る言葉を掘り下げる

あなたの思考を刺激したり、感情を動かす単語やフレーズに出会ったら、それをキッカケにして自分自身の信念や思考パターンをより良く知ることができます。

  • なぜ、この言葉が好きなのか?
  • この言葉から思い出される過去の出来事は何か?
  • この言葉は、自分にどんな行動を促しているのだろう?

あなたの感覚に触れる言葉には、あなた自身をより良く知るためのヒントが隠されています。

そのサインを逃さず、あなたの内面を掘り下げて、自己認識を高めるチャンスに変えてしまいましょう。

 

5.著名人の名言を「質問」に変える

「人生において、たとえどんなに小さくても意味のあることなら、大きくても意味のないことに勝る」―カール・ユング(心理学者)(『「クリエイティブ」の処方箋』より)

本の中で、このような名言が引用されていたら、そこからアイデアを出すための質問を作ってみましょう。

  • 自分にとっての「小さくても意味のあること」10個は何か?
  • 自分にとっての「大きくても意味のないこと」10個は何か?
  • 自分の「小さくても意味のあること」を「大きくて意味のあること」に変えるために必要な10のアクションは何か?

名言からこのようなオリジナルな「問い」を引き出すことで、その名言の内容がより深く理解できるだけでなく、

そこから得られた自分だけの知恵を、日々の仕事や生活に応用することができます。

 

6.参照されているデータの原典を調べる

本の中で使われているグラフや統計データには、ほとんどの場合「出典」が記されています。

このオリジナルの「出典」をインターネット、あるいは図書館などで探して、自分なりに読み解きます。

  • 著者はどういう意図を持って、このデータを選んだのか?
  • 自分なら、これらのデータをどう使うか?
  • 自分なら、これらのデータからどのような仮説を引き出すか?

などと考えを深めることで、著者の考えに迫り、さらに自分自身のアイデアを作り出すことができます。

 

7.反論してみる

本に書かれている内容に強く賛同したとしても、あえて著者とは反対の立場から自分の意見を考えてみるのも一案です。

「AはBである」という著者の主張に対して、「AはBでない」という立場からの根拠や意味付けを考えてみるということです。

あえて反論することで、著者の主張の確からしさが確信できるかもしれませんし、実はカンタンに反証できるものだと気付くかもしれません。

あるいは「AとBは、Cである」という一段階上の捉え方が手に入るかもしれません。

 

8.自分の主張を書き出す

読んだ本、あるいは読んだ箇所で著者が主張、あるいは問いかけているテーマについて、自分自身の考えやアイデアを書き出してみましょう。

例えば、本を読んでいるとき、次のような問いかけを見つけたとします。

「人にものを頼むときに、心理学の研究成果を応用するのは作為的な人心操作では?倫理上、問題なのでは?」―『説得とヤル気の科学』より(一部を編集)

この問いかけに対して、著者は「良いこと、あるいは無害なことをさせる場合はOK」という見解を示しています。

しかし、そこで留まらず、自分ならどう捉えるか、どう解釈するかのアイデアをいくつも書き出すことで、

その本を読み続けるにあたっての「複数の視点」が手に入り、1回の読書からより多くのアイデアを得ることができます。

 

9.本の著者になりきって推敲する

本のテーマをさまざまな角度から見直して理解したあとは、「自分ならこの部分で、どういう言葉を選んで、どう表現するか?」と考えてみるのも面白いです。

表現の自由がある世界では、あなたの目の前にある本は、決して異を唱えてはいけない「聖典」や「経典」ではなく、

あくまでも、著者という一個人の、言葉による表現の一例に過ぎません。

著者による表現例をサンプルにして、文章を書くスキルを磨くことができます。

 

10.本のセールスコピーを考える

ソーシャル・ネットワーキング・サービスが全盛の現在は、誰もが自分自身と自分のアイデアを売り込んでいる時代ともいえます。

読書をした後で、まっさらな視点で「この本の価値は何か?」「この本はどんな人に役立つか?」を再定義してアイデアを出し、オリジナルのセールスコピーを考えてみることで、そんな「売り込み」のスキルを磨くことができます。

ゼロから考えることが難しければ、本の「帯」などに書かれてある元々のセールスコピーをもじって(アレンジして)みることから始めてもいいですね。

 

いかがでしょうか?

「できるだけ多くの本を読む」ことより、「1冊の本から、できるだけ多くのアイデアを引き出す」ことにフォーカスした「アイデア読書」を、あなたも試してみてください。

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。