あなたは「最近、運動不足だな・・・」と感じていますか?
「仕事のある日はムリだけど、せめて休日には、運動しないと・・・」
そう思っても、いきなり激しい運動をしてケガをしたり、筋肉痛になることは避けたいし、
けっして安くはない入会金と月会費を払ってスポーツジムに通うのにも抵抗があるなぁ・・・というあなたに、
お金をかけずに日々の生活で手軽に取り組める、おすすめのトレーニング10選をご紹介します。
もちろん、これらすべてを行う必要はありません。
ここ数年、ほとんど運動していないなら最初の3つで十分ですし、
以前にスポーツをやっていて体力には自信がある場合でも、最初の3つに加え、4番目以降を交互に1〜2ヶ月ほど続けて、身体感覚を取り戻すことからおすすめします。
1.深呼吸をする
運動不足の状態では、胸郭、横隔膜、そしてお腹周りの筋肉が衰えているため、呼吸そのものが浅くなっていることがあります。
この状態では体内に取り込める酸素の量にも限りがあり、本格的な運動に身体がついてきません。
酸素をたっぷりと身体に取り込む深い呼吸に必要な筋肉をよみがえらせるため、まずはゆっくりと、腹式呼吸で深呼吸することから始めてみましょう。
ゆっくりと4秒かけていっぱいに息を吸い、2秒くらい息を止めてから、4秒でゆっくりと息を吐ききります。
息を吸うときは腰から上、上半身全体をリラックスさせてたっぷりと空気を身体に取り入れ、
息を吐くときは逆に、お腹を強く引っ込めて、肺に入っている空気をすべて出し切ることをイメージしてみてください。
最初は1〜2分間から始めて、慣れてきたら5分間を目標に時間を伸ばしていきましょう。
朝、寝起きのときに行うと、アタマと身体がスッキリ目覚めてくれる効果もあります。
2.ストレッチをする
身体をスムースに動かすには、首から肩甲骨、骨盤(腰)周り、太腿の前後の柔軟性が求められますが、運動不足の場合にはこれらの部位がカチカチに強ばっています。
動作のカギになる部分に固さがある状態での運動は、ケガの危険性を高めます。
効率よく柔軟性を高めるために、お風呂上がりで身体が温まっているときに、これらの部位をじっくりとストレッチしましょう。
(私のように)ストレッチをするとすごく汗をかく体質の場合には、お風呂に「入る前」がおすすめです。入浴のときに、さらなる血行促進の効果も見込めます。
3.歩く
深い呼吸をするための筋肉を整え、ストレッチで全身の柔軟性が高まってきたら、毎日の「歩く」行動もレベルアップしてみましょう。
人通りの少ないところで少し早足で歩く、坂道のある道を選ぶ、少し大股で歩く、歩くスピードを時々変えてみる・・・などなど、ほんの少しの変化でも全身の運動感覚が蘇ってきます。
4.階段を使う
通勤や移動の途中に階段や歩道橋があれば、できる限り積極的に使うようにしましょう。
国立健康・栄養研究所が公表している『身体活動のメッツ(METs)表』には、日常生活から仕事、スポーツを含むさまざまな活動の運動強度が示されています。
http://www0.nih.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
この一覧によると、階段をゆっくり上るときの運動強度は4.0、速く上るときは8.8と、通常の歩行(運動強度3.0)より1.3倍〜2.9倍の強度になります。
最初は辛いかもしれませんが、毎日コツコツと階段を使うことで、少しずつ足腰が鍛えられます。
ただし、ムリして駆け上がったり駆け下りたりせず、くれぐれも事故やケガのないようにお願いします!
ここから5つは、高価な器具がなくても自宅で手軽にできる筋肉トレーニングです。
いずれも、身体を支えるために重要な働きをする「体幹」の筋肉を強くし、また全身の代謝が上がって「太りにくい身体」に変える効果があります。
5.自宅でできる筋トレ(1)タオル背筋
45〜60センチくらいの長さのタオルを用意して、肩幅くらいの間隔を空け、両手で握ります。
そのまま頭上に両手を挙げて、両腕が床に対して垂直の状態にします。
そこから、ゆっくりとタオルを首の後ろに引き下げるよう、腕を曲げます。このとき、左右の肩甲骨を中央に寄せ、下に引き下げるイメージで、背中に力を入れます。
一番下まで下ろしたら、力を入れたまま1〜2秒静止して、徐々に力を抜きながら両腕を元の位置まで伸ばしていきます。
この動作を10〜20回、2〜3セット繰り返します。
肩甲骨から背中の筋肉が鍛えられて姿勢が良くなり、さらに肩まわりの柔軟性もアップします。湯船に浸かっているときにやるのもいいですね。
6.自宅でできる筋トレ(2)ランジ
片足ずつ前に出し、太腿とお尻の筋肉を鍛える運動です。実際の動きは動画を参照してください。
靴下を履いた状態だと滑りやすいので、裸足で行うか、もしお持ちならヨガマットを使うと安全です。
7.自宅でできる筋トレ(3)スクワット
下半身全体の筋肉を鍛え、骨盤周りの柔軟性を高める運動です。こちらも動画で動きを確認してみてください。
トレーニング効果を高めるには、骨盤をしっかりと前傾させて、お尻を突き出すのがポイントになります。
8.自宅でできる筋トレ(4)スロー腹筋
通常の腹筋運動と動きはまったく同じですが、上半身を戻す(床に近づける)ときに、10〜20秒かけてゆっくりと、背中が床につくギリギリのところまで下げていきます。(ただし、背中をベッタリと床につけないように!)
そこから、頭をひざに近づけるように、上半身をすばやく上げます。
この方法だと、「腹筋は100回できる」と豪語する人が20回も続けられないほど、お腹の筋肉全体に効きます。
最初はまず10回、慣れてきたら10回2セット、最終的には10回3セットを目標にしてください。
回数がこなせるようになったら、上半身を戻す時間を、30秒を目標にして、少しづつ長くしていきます。
なお、腰を痛めないように、ひざは軽く曲げた状態にして、お尻の下に座布団かマットを置くことをおすすめします。
9.自宅でできる筋トレ(5)プランク(plank)
お腹から腰回りの体幹全体を鍛えるのに最適なトレーニングです。
動画では肘を床につけていますが、肘に痛みを感じる場合は、腕立て伏せのスタート時のように、腕を伸ばして両手を付く姿勢でもOKです。
10.ジョギングをする
全身の柔軟性を高め、身体を支えるために欠かせない筋肉を鍛えたら、小走りくらいのスピードでジョギングに挑戦してみましょう。
週に1、2回で十分です。
走るときは、首から肩甲骨をリラックスさせて、両腕をしっかりと前後に振ります。ゆっくりとしたスピードでも、ひざはしっかりと上げます。
最初は500メートルくらいから始めて、徐々に2〜3キロまで距離を伸ばします。
もちろん、もっと長い距離を走りたい・・・というときはぜひチャレンジしてみてください。
ただし、ポイントは「鼻呼吸」が続けられるほどのゆっくりとしたスピードに抑えることです。
口で「ハー、ハー」と荒い呼吸をするほどのスピードは強度が高すぎ、心臓と肺へ必要以上の負担をかけてしまいます。
ゆっくり楽しく手足を動かすことを最優先にしましょう。
全身の血行が良くなって、アタマもスッキリします。
* * *
いかがでしょうか?
運動不足が怖いのは、全身の筋肉と身体感覚がゆっくりと衰え続けていくことにあります。
その状態は、週にわずか1〜2回の激しい運動では回復できませんし、そのようなやり方ではむしろ大怪我をする危険性があります。
普段の生活での小さな積み重ねで、本来の身体の機能を少しずつ取り戻すことができますし、
また、スポーツジムに通わなくても、あるいは高い器具を買わなくても、自宅でかなりの筋力トレーニングができます。
あなたの生活にすぐに取り入れられることから、少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。