今は、誰でもコストをかけずに「作家」になれる時代。
作家デビューは電子書籍でも構わないけれど、目標とするべきは、
出版社が「この作家に投資してもいい」と思える存在になるまで、生まれ持った個性とアイデアを尖らせていくことです。
僕は、これまでに電子書籍を2冊出版している「作家」です。
一昔前には「自費出版」と呼ばれていたように、無名の素人が本を出版するには、印刷コストなどを自ら負担していたものですが、
現在は、電子媒体で本を出版するのに、コストはかかりません。
さらに、いまは「本」という体裁にとらわれる必要すらない時代です。
例えば、noteでは、記事単位で自分の書いた文章を販売できます。
で、僕が出版した電子書籍ですが、
1冊目、アマゾンで販売した日本語の電子書籍は、ダウンロードが2件。
2冊目、Gumroadで海外向けに販売した英語の電子ブックは、ダウンロードが13件。
なので僕は「著書が15部売れた」作家です。
自慢にも何にもならない実績ですし、むしろ「恥を知れ」ぐらいに思う人もいるかもしれませんが、
誰の助けも借りずに、自分一人だけで、
コンテンツをゼロから作り、電子書籍を制作し、販売までやり遂げたということは、僕にとって貴重な、何物にも代えがたい経験です。
世の中のほとんどの人は、自分一人でそこまでやらないわけですから、なおさらです。
でも、「売れなかった」という事実は、受け入れなければなりません。
それは、ハッキリ言えば、
僕が創ったコンテンツが、世の中に受け入れられなかったということ。
もちろん、買ってくれた(数少ない)方々へは、深く感謝しています。
しかし、
自分が創ったコンテンツのコンセプト、狙いが「世の中に受け入れられるもの」だったかどうか、
そのコンセプトや価値が伝わるようなプロモーションが行えていたかどうか、
そしてそれ以前に、自分の創ったコンテンツを喜んで受け入れてくれる「ファン」を作り、
その方々との関係性を大切に育てていたか・・・
いまや誰にでも低コストで行うことができる「出版」の前に、
コンテンツを世界に送り出す「クリエイター」として、なすべきことができていたかどうかということは、
出版からかなりの月日が経った今でも、厳しく自分に問いかけ続けています。
つまり、
誰もが「出版」できる時代になったからこそ、
出版社から出版のオファーが届くような存在になること、
あるいは出版社へ企画を持ち込んで、「この人と、この人のアイデアに賭けてもいい!」と思ってもらえるような存在になることに「価値」があります。
「2019年末までに、大手出版社から商業出版する。」
先月末、僕はそんな目標を立てました。
期限まで、あと18ヶ月。
原稿執筆や編集、印刷など、商業出版に要する期間を考えると、決して余裕のある目標設定とは言えません。
15万部ではなく、「著書が15部売れた」作家に過ぎない僕なら、なおさらです。
ただ、その目標を実現するために今、この瞬間になすべきことは、
商業出版を目指す人たち向けのセミナーに参加することでもなく、
ダメもとで次々と企画書を出版社に送ることでもなく、
自分がこの世界に創り出したいもの、たくさんの人たちに届けたいものが何なのかを、
自分という存在の「源」に立ち戻って、しっかりと見定めること。
その上で、自分自身の「軸」をはっきりと表現しながら、クリエイターとして日々コンテンツを作り続けていくこと。
それが、遠回りのようで、確実に目標に近づいていける道なんだろうと考えてます。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。