僕はなぜ「落書きアーティスト」になったのか

前回の記事で、「落書きアート」を始めたきっかけについて書きました。

ちなみに今朝の落書きアートは、ゲーテの言葉。

(Facebook投稿はこちらです)

高校生のころ、よく『ゲーテ格言集』を読んでいましたが、ゲーテの言葉の意味するところが本当に分かり始めてきたのは、つい最近。

それなりに山あり谷ありの人生経験を積まなければ、歴史上の偉人たちの言葉って、魂には染み込んでこないのかもしれません。

それはともかく・・・

前回の続きです。

再び絵を描くようになり、落書きアートをインスタグラムに投稿し始めて、フォロワーさんから反応をいただいたことで、

すっかりグラフィックへの興味を取り戻した僕は、

10代のとき以来ずっと遠ざかっていた人物デッサンや遠近法の勉強を再開したり、

会議の内容を言葉とビジュアルでまとめるグラフィックレコーディングや、

海外で「スケッチノート」と呼ばれている、グラフィックとテキストを組み合わせたノート術などの新しいスキルを、

(スケッチノートについて詳しく書かれている本はこちらです)

興味の赴くままに、時間を見つけては次々と学んでいきました。

ちなみに「スケッチノート」のような手法は、僕が子供のころ、授業のノートをとっていたやり方とかなり似ていて、

先生たちからは「ノートにラクガキしたらダメ!」と、見つかるたびに叱られていたのですが・・・

実際には、文字情報とビジュアル情報を組み合わせることで、認識力や記憶力を高めることができる方法であり、

海外では、教育現場での積極的な導入を進めている学校もあるようです。

まぁ、それもともかく。

学んだばかりのスケッチノートの手法で、当時よく聴いていた海外ポッドキャストの内容をノートにメモして、

その写真を何気なくインスタグラムに投稿したとき・・・

なんと、そのポッドキャストのホストが、僕のノートを、自分のソーシャルメディアでシェアしてくれたのです。

そのときのノートがこちら。

ポッドキャストのホストは、アメリカの起業家・作家である James Altucher 氏。

日本ではほとんど知名度がありませんが、私は以前から James 氏の著書を愛読していて、

当時、ツイッターでは12万以上(現在は19万弱)、インスタグラムでは1万以上(現在は3.7万)のフォロワーを持つ、インフルエンサーの一人でした。

僕のノートがシェアされた後、世界中からダイレクトメッセージが次々と送られてきました。

「私のポッドキャストにも、グラフィックを描いて欲しい!」

「インターネットラジオで流したインタビュー番組を、スケッチノートにしてくれないか?」

「いま執筆中の本に、挿絵を描いてもらえないかな?」

・・・などなど、

プロのイラストレーターではないどころか、絵を(再び)描きはじめてわずか数ヶ月の僕のところに、仕事の依頼が次々と入ってきたのです。

当時の僕は、そのような状況で、

この程度の画力で描いたもので、お金をもらえるわけがないだろう・・・この人たちはきっと、なにか勘違いしているんだろう

と思うほど、セルフイメージが低かったのですが、

依頼されたものを無下に断るわけにもいかないか・・・と思い直し、

サイドビジネスとしてできる範囲内で、「落書きアーティスト」として少しづつ、仕事を受けるようになりました。

例えば、このイラスト。

ブログのアイキャッチ画像に使いたいので、記事の内容を1ページにまとめたイラストを描いて欲しい」という依頼に基づいて描いたものです。

このクライアントも James Altucher 氏のファンで、僕も心底楽しみながら描きました。

実は僕にとって、金額は知れているとはいえ、

「自分が純粋に楽しめることをやって、その対価をもらう」という経験は、このときが初めてでした。

もちろん、本業を嫌々ながらやっているとか、好きじゃないことを本業として我慢してやっているということではなく、

楽しさだけを求めてやっている、ある意味で「趣味」のようなことに対して、お金を払ってもいいという人たちが現れたことが、

私に新しい気づきをもたらしてくれた、人生の大きな転換点だったのです。

で、お金をいただくからには、こちらもクオリティの高いものを創り続けていかなければ・・・と思い、

毎日のインスタグラムへの投稿を練習の一環として続けながら、

イラスト作成の依頼を受けつつ、それと並行して、カリグラフィーやグラフィックデザインを学びました。

デジタルでのイラスト作成依頼を受けたことをきっかけに、それまではまったく使い方を知らなかったAdobe IllustratorとPhotoshopも、基礎から応用まで一通りマスターしました。

さらに、そこから得られたノウハウと経験に基づいて、

グラフィックデザインとコミュニケーション戦略を組み合わせた「コミュニケーション・デザイン事業」を、

自分の会社で、正式なサービスとして開始するまでになりました。

人生にほぼ絶望しかかっていたころに、最後に子供のときに大好きだったことをもう一度やろう・・・と思って始めた「お絵かき」が、

憧れの起業家・作家との直接のつながりを創り出し、人生への希望を蘇らせてくれる新たな仕事も創り出してくれた・・・

単なる偶然のようにも見えますし、僕自身そのように捉えていた時期もありましたが、

いまとなっては、これが「自分が本当に大好きなことをやる」ことの、好ましい副作用なんだと思えるようになりました。

自分が本当に大好きなことにエネルギーを注ぎ、もっと良くしよう、もっと上手くなろうと努力を続けていれば、興味を持ってくれる人たちが現れる。

万人受けするようなものでなくても、精魂込めて創り続けていれば、それにユニークな価値や楽しさ、面白さを見出してくれる人たちが現れる。

ビジネスやマーケティングの様々なテクニックではカバーできない、ビジネスをやる上で欠かせない本質的なことに、「お絵かき」が気づかせてくれたような気がしています。

 
p.s.
過去のすべての「落書きアート」は、こちらのウェブサイト(英語)でご覧になれます。
 
 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。株式会社スティッキービジョン代表取締役。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。

起業家・事業家向けのコーチングを行っている妻の廣世紹瑛と共に、神戸で「ビジネスお悩み相談クリニック」を好評開催中です。

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