「修行時代」をどう乗り越えるか

アイデア

 

後悔とは無縁の人生を送っている(と信じたい)僕ですが、

もっと若いとき、例えば10代のころに知って、実践を重ねていたなら、

ビジネスパーソンとして、そして人間として、もっと速く成長できていただろうという「行動の仕方」があります。

 

なにかに卓越しようと決意したなら、自らが選んだ分野で学び、実践を続けていかなければなりません。

いずれは独立開業したり、起業を志していたとしても、

一時的に、企業に就職して能力を高め、実績を積む必要があるかもしれません。

あるいは、誰かに師事して、専門知識を高めつつ、プロフェッショナルのあり方・やり方を直に学ぶ必要があるかもしれません。

 

いわゆる「修行」を積む、ということです。

 

その過程においては、自分が本来やりたいこととは違うことをやらなければならないこともあるでしょう。

時には、納得のいかない扱いをされたり、周囲の人たちから軽く見られることもあるかもしれません。

 

でも、そういった経験も含めて、自分自身を高める「学び」だと捉え、

自分が目指すものになるために欠かせないプロセスだと捉えるならば、

修行時代に起こる、一見してネガティブな出来事からも、貴重な学びが得られます。

 

アメリカの公民権運動の指導者であり、ノーベル平和賞を受賞したこともあるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師は、

かつてスピーチでこう述べました。

“If a man is called to be a street sweeper, he should sweep streets even as a Michaelangelo painted, or Beethoven composed music or Shakespeare wrote poetry. He should sweep streets so well that all the hosts of heaven and earth will pause to say, ‘Here lived a great street sweeper who did his job well.”

掃除夫の役割に就いたなら、ミケランジェロが絵を描くように、ベートーヴェンが作曲するように、シェイクスピアが詩を書くように、掃除をしなければならない。あらゆる人々が「ここに素晴らしい仕事をする偉大な掃除夫がいた」と感心するように掃除をしなければならない。

 

これが修行時代に、そしてその後においても、成長のスピードを何十倍、何百倍にもしてくれる「行動の仕方」です。

 

たとえそれがどんなに小さなことであろうと、

与えられた役割、与えられた仕事に全力で取り組み、工夫を凝らし、最善を尽くす人は、

いつまでもずっと、その役割や仕事に留まることはありません。

遅かれ早かれ、かならず、その仕事ぶりが高く評価され、より大きな活躍の機会を手にするときがやってきます。

 

書類のホチキス止めやファイリング、仕事道具の整理、オフィスや給湯室の掃除・・・

どんなに小さな仕事にも熱意をもって取り組み、あなたにしか創り出せない「価値」を創り出してみてください。

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。