スポーツジムが混雑するのは1月だけ?モチベーションを高める秘訣とは

今年も新年早々から、順調にウエイト・トレーニングを続けています。

私が通っているジムは、全国チェーンでそれなりに知名度が高いこともあってか、

年始めは毎年、「今年こそは減量しよう!」とか「運動の習慣をつくろう!」という新年の目標を掲げて

新たにジムに通い始める人たちで賑わいます。

時には、マシンの使い方が分からずに戸惑っている、新メンバーの方々にアドバイスさせていただいたりしていますが

(本来はジムスタッフの仕事ですが・・・)

せっかく顔見知りになり、挨拶やちょっとした会話を交わすようになっても、

1〜2ヶ月も経つと、大半の方々は、お顔を見かけなくなってしまいます。

残念だなぁと思う一方で、

「◯◯さんがジムに通おうと思った元々の動機は何だったんだろう?」ということも

つい考えてしまいます。

というのも、ある行動を続けられるかどうかは、

元々の動機、そしてその行動を続けていくプロセスにおいて、

元々の動機がどう変容していくかがカギを握るからです。

心理学での有名な研究の中に、

自己決定理論(self-determination theory)

と呼ばれるものがあります。

この理論では、

活動それ自体を目的として、強い興味や、楽しさといった感情によって自発的に行動したいという「自発的動機づけ」と、

活動それ自体を楽しむのではなく、何かの目的のために行動するという「外発的動機づけ」の2つの概念を元に、

モチベーションの状態を6段階に分類しています。

1.非動機づけ
活動することのモチベーションがまったく存在していない状態。

2.外的調整
活動することの価値に関わりなく、物的な報酬の獲得や、罰の回避を目的として行動する状態。

3.取り入れ的調整
活動することの価値を部分的に認識しているが、行動の主な目的は、義務感を満たすことや不安や恥の感情を低減することである状態。

4.同一化的調整
活動することの価値を自己と同一化しているが、他者のリーダーシップなどの外発的動機づけが行動のきっかけとなっている状態。

5.統合的調整
ある活動をすることの価値が、他の活動の価値や意義などと統合され、自己の中で葛藤を生じずに自発的に行動する状態。

6.内発的動機づけ
(先に説明した通り)活動それ自体を目的として、強い興味や、楽しさといった感情によって自発的に行動したいという状態。

2番目から5番目までは外発的動機づけを段階的に分類したもので、

2番目→5番目の順に、内発的動機づけが大きくなっていきます。

言い換えれば、「やらなければならない」という外発的動機づけに、

「やりたい」という内発的動機づけが加わっていくということです。

で、ここから先は、完全な私見ですが・・・

なにか行動を起こそうとするときには強い「内発的動機づけ」が大切である、という見解は

ビジネス社会に限らず、多くの分野でよく耳にすることですが、

何もないところからいきなり、強い「内発的動機づけ」が生まれるようなことは極めて稀です。

その例外は、特に就学年齢前の子供たちに見られるような

「やりたいからやる」という行動の数々ですが、

そういった行動は、両親や家族を始めとする「他人」によって、強烈に、しかも徹底的に抑圧されるのが常であって、

その結果、私たちのココロの中には、ピュアな「内発的動機づけ」が生まれにくくなってしまうのです。

さらに、たとえ純粋な「内発的動機づけ」が生まれてきたとしても、

それはしょせん、良くも悪くも自分ひとりだけで完結しているものですので、

自分の中から興味関心やポジティブな感情が消えてしまえば、それで終わりです。

たとえ、内発的動機づけによる活動自体が、

「健康な心身をつくる」や「仕事に役立つスキルを身につける」といったポジティブなものであっても、

純粋な内発的動機づけだけでは、その持続可能性には、つねに危うさがつきまとうことになります。

なので、先の自己決定理論に基づけば、

5番目の「統合的調整」こそが、内発的動機づけと外発的動機づけの理想的なバランスがとれた状態であって、

ビジネスであろうと、個人的な活動であろうと、この状態を目指すのが理想である・・・

と私は考えています。

新年早々からジムに通い始める方々の多くは、

「ジムに通い始める」という実際の行動を起こしているという点で、

すでに「その他大勢」からは突き抜けた存在になっているのですが、

自己決定理論のスケールでいえば、おそらく3番目の「取り入れ的調整」、

つまり、「そろそろお腹まわりの贅肉を落とさないと、メタボがやばいなぁ」とか、

「たるんだ二の腕を引き締めないと、パーティドレスが着れないなぁ」といったような、

不安や恥の感情を低減したいという段階の方々が多いのではないかと思います。

誰かに強制されているわけではない、

だからといって、ジムに通って運動することが、ココロの底から楽しいわけでもない・・・

という、外発的動機づけも、内発的動機づけも、どちらも中途半端なレベルにあるので、

ちょっとしたキッカケでジムに通うのを止めてしまいますし、

止めてしまったところで、強い罪悪感やネガティブ感情を持たずに済んでしまうのです。

なので、「スポーツジムに通い始める」といったような新しい活動を始めた直後には、

外発的動機づけと、内発的動機づけの両方を少しづつ強めていくことが、

活動を持続させるためのポイントになります。

そうすることで、自己決定理論における

「取り入れ的調整→同一化的調整→統合的調整」という段階的な変容を早めることができるからです。

例えば、外発的動機づけを強めるためには、

  • ダイエットを始めることをソーシャルメディアで宣言する
  • 行動目標を決め、家族などの「他人」に測定評価してもらう
  • パーソナルトレーナーを付ける

といったように、他者の存在を介入させて強制力を生むことが一つの方法ですし、

内発的動機づけを強めるためには、

  • 定期的に運動することによって得られる心身のメリットを調べる(たくさんあります!)
  • 運動した後の爽快感や満足感にフォーカスする(「快」の感情を意識的に強める)
  • ゲーム感覚を取り入れる(負荷を5kg重くできたらご褒美、など)

といったように、活動することのメリットや楽しさに意識を向けるということが有効です。

このテクニックは、自分自身の活動だけでなく、

家庭や会社、あるいは地域コミュニティなどで、他の人々にモチベーションを上げてもらいたいときにも応用できます。

何によって強制力を感じるか、あるいはメリットを感じるかは、個人差が大きいところですので、

あなたがやろうとしている活動や、あなたの意欲を前向きに捉えてくれる人に、相談してみるのも良いですね。

あなた自身の(そして、あなたと関わりのある他の人々の)モチベーションを上手くコントロールして、実りの多い充実した日々にしていきましょう!

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。株式会社スティッキービジョン代表取締役。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。

起業家・事業家向けのコーチングを行っている妻の廣世紹瑛と共に、神戸で「ビジネスお悩み相談クリニック」を好評開催中です。

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