私が会社勤めをしていた約20年間、イライラしない日はありませんでした。
上司に恵まれなかったこと、
ストレスの多い仕事内容だったこと、
仕事の成果を独り占めして、でも大きな責任やプレッシャーからは逃れようとする人たちに囲まれていたこと・・・
いずれも「まっとうな」理由に聞こえるかもしれませんが、真の原因は、私自身の中にありました。
私自身が、そういった周囲の状況を理由にして、「イライラすること」を自ら選択していたのです。
会社勤めを辞めて独立してからも、その傾向は続きました。
それが原因で人間関係を壊し、チャンスを失い、お金を失ったこともあります。
自分の情緒が乱れる原因を、環境や他の人たちといった「自分以外のもの」に求めると、キリがありません。
ありとあらゆることが、情緒を乱す原因として「こじつける」ことができるからです。
- 「上司がイライラしているから、こちらまでイライラしてくる」
- 「仕事ができない部下ばかり付けられて、いつもハラハラする」
- 「自分の努力がまったく評価されなくて、ムカムカする」
「〜だから、気分が悪い」という理由付けは、無限に創り出すことができます。
しかし、少し考えれば分かりますが、
起こっている事象と、情緒の乱れの間には、実は因果関係はありません。
起こっている事象を、自分自身が「マイナス(ネガティブ)」にとらえているから、
さらに言えば、自分自身のモノゴトの見方(フィルター)が「マイナス(ネガティブ)」であるからこそ、情緒が乱れるのです。
情緒を乱す原因は、私たち自身の「解釈」なのです。
解釈が変われば、起こっている事象に対して、
私たちが取り得る行動はまったく違うものになり得ます。
- 「上司がイライラしている。なにか上手くいっていないことでもあるんだろうか?自分がお役に立てることがあるかもしれないから、落ち着いたころを見計らって、そっと声をかけてみよう。」
- 「仕事ができない部下ばかり付けられたなぁ。でもこれは、自分の指導力を高めるチャンスでもあるから、コーチングスキルを学んで実践する良いきっかけかもしれない。」
- 「自分の努力はまったく評価されていない。でもそれは部下の働きを正当に評価できない上司に問題があるのであって、私が仕事に向き合う姿勢に問題があるわけじゃない。評価されようとされまいと、自分だけにできることを誠実に、全力でやっていこう。」
私たちは、起こっている事象そのものを変えることはできなくても、
その事象への解釈と、その解釈に基づく自らの行動を変えることができます。
その選択の権利は、いつも私たちの手にあるのです。
とは言え、情緒が乱れているときに、そのようなことを言われても受け入れることは難しいと思います。
昔の私も、そのようなアドバイスには、まったく耳を傾けることはありませんでした。
「誰がなんと言おうと、自分は正しい。悪いのは環境であり、他の人たちだ」と思い込んでいれば、なおさらです。
でもね、そんなあなたに。
昔の私が、誰かに言って欲しかった言葉を、捧げます。
あなたは、いつも正しい。
そして、あなたはもっと良くなれる。
あなたが大きく飛躍するチャンスは、正しいか正しくないかという視点を手放したときに、あなたの前に現れるから。
それまで諦めずに、自分なりに、精一杯がんばって。
「上から目線でモノを言ってんじゃねえよ」と、言わないでくださいね。
会社員時代に、ストレスと過労のせいでオフィスで倒れ、救急車で病院に担ぎ込まれた経験(しかも二度)がある私です。
辛くても毎日がんばっているあなたに、これくらいのエールは送らせてください。
「自分以外のもの」に責任をなすりつける生き方を手放せば、
どんな環境にいても、何をやっていても、かならず活路は見いだせます。
あなたが望むチャンスをつかむこともできます。
だから、一緒にがんばりましょう。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。