すべての人間の行動は、洋の東西を問わず、2つの欲求から生み出されます。
- 悩み・苦しみ・苦痛から逃れたい(「不快」の回避)
- 喜び・楽しみ・満足を手に入れたい(「快」の獲得)
成功しているすべてのビジネスは、このいずれか、あるいは両方を、お客さんに提供しています。
効果的なコマーシャルやセールスレター、雑誌広告も、「この商品やサービスを購入すれば、このいずれか、あるいは両方の欲求を満たすことができますよ」と、巧みに消費者を誘導しています。
もっと身近な例では、本屋に並んでいる書籍の「帯」に書かれているコメントやコピー文、雑誌やウェブ記事のタイトルも、この2つの欲求を刺激するように作られています。
消費市場として成熟した国ほど、これらの欲求を刺激するためのテクニックはより洗練されていて、多くの消費者が「洗脳」されているのです。
私たちが目にしているものの多くは、私たちが一度も会ったことがない誰かが、私たちの欲求を刺激しようとして作り出したものです。
誰の、どういう「不快」を解消しようとしているのか?
誰に対して、どういう「快」を与えようとしているのか?
消費者の視点で、どこかにいる誰かの作為に振り回される前に、一步引いた視点で、その作為の仕組みを解き明かしていくことで、売れている商品・サービスの仕組みを知ることができます。
ヒトを動かしているドロドロした欲求、そしてヒトを動かそうとしているドロドロした欲求を、冷静に観察してみましょう。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。