もっと効果的なコミュニケーションやプレゼンテーションをするためには、どうやって資料を作ればいいんだろう?
そんな希望(あるいは悩み)の解決につながるかもしれない、役に立つノウハウが公開されています。
無料とは思えない充実度
プレゼンテーションの製作・デザインを行う米国カリフォルニアの会社Duarte Inc.が、「Slidedocs」というコンセプトで効果的なビジュアル資料の作り方をまとめ、無料公開【注】しています。
そのボリュームたるや、パワーポイントのスライドで、165ページ分。
情報の密度も濃く、サンプルテンプレート集も無料で提供しており、ヘタなビジネス書をはるかに上回る、充実したコンテンツです。
いまのところ日本語版はなく、最初から最後まですべて英語で書かれていますが、資料をざっと最初から最後まで「眺める」だけでも、「Slidedocs」の狙いが分かります。
徹底的に「視覚」に重きを置き、伝えること・理解してもらうことにフォーカスした方法論なのです。
【注】このページでスライドが見れますが、その真下にある「Download Slidedocs book」をクリックして、名前・メールアドレス・会社名・役職名を入力すれば、パワーポイント対応の電子ファイルをダウンロードできます。
小さいようで大きな違い
実は、「Slidedocs」の基本は、私たちにも既におなじみのものです。
ただ、それは意図したものではなく、単なる偶然の産物なのですが。
日本のビジネス社会では、例えばTEDのプレゼンなどで使われる写真だけのスライドのように、プレゼンテーションのためだけのプレゼンテーションスライドを創ること・見ることは、あまりありません。
むしろ、たくさんの文字情報と、表やグラフを詰め込んだ、プレゼンテーションスライドというよりも研究資料っぽい見た目のスライドがほとんどです。
「Slidedocs」でも、基本的には文字(テキスト)を使って情報を伝えようとしています。
日本で一般的な「情報詰め込み」との一番の違いは、「Slidedocs」では、プレゼンテーション・デザインの観点からそれらの文字の「魅せ方」を定義しているところです。
「情報詰め込み」のスライドを「Slidedocs」形式に変えた例がこちら。
公開されているスライドの59~62ページに、より詳しい実例が載っています。
まず、真似してみよう!
「Slidedocs」のアプローチは、調査レポートや情報商材など、配布するために作成するコンテンツ全てに応用が効きます。
いろいろと真似しながら、自分なりの工夫も加えて、独自のスタイルを創るのも面白いですね。
ぜひ、試してみてください。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。