誰もが、多かれ少なかれ、ネガティブな感情の痛みを抱えて生きています。
自分だけでなく、他人も痛みを抱えて生きているんだと気づくことで、人間関係は少しラクになります。
今朝、ジョギングをしているとき、ふと懐かしい曲がアタマに蘇ってきました。
ちっちゃな頃から 悪ガキで
15で不良と呼ばれたよ
ナイフみたいにとがっては
触るものみな 傷つけた
(『ギザギザハートの子守唄』チェッカーズ)
この曲のリリースは1983年。聞いたことがない方もいるかもしれませんね。
一応動画を貼っておきますが、時代が時代なので、映像クオリティの低さは許してください・・・
で、今回の本題は、最初に引用した歌詞の後半。
「ナイフみたいにとがっては 触るものみな 傷つけた」
扱いにくい不良だったことを表している部分です。
そして、この歌詞は、
アメリカで最も人気のある精神世界分野の作家、エックハルト・トールが、著書『ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる-』で取り上げている、
「ペインボディ」と呼ばれるネガティブなエネルギーが働いている様子を描いています。
少し長くなりますが、「ペインボディ」についての説明を引用します。
ネガティブな感情が湧いたときには、きちんと向き合ってその正体を確認しておかないと、その感情が解消されず、あとに痛みが残る。
とくに子どもはネガティブな感情があまりに強いとどうすることもできなくて、それを感じないようにする傾向がある。
・・・
残念ながら、こういう子どものころの防衛メカニズムは成人後もひきずっていることが多い。ネガティブな感情は認識されずに当人のなかに残り、不安や怒り、発作的な暴力、むら気、さらには肉体的な病気などの間接的な形で現れる。
・・・
きちんと向き合い、受け入れ、そして手放すという作業がなされなかったネガティブな感情は痛みを残す。その痛みが積み重なり、身体の全細胞で活動するエネルギー場をつくりあげる。
このエネルギー場を形成するのは子ども時代の痛みだけではない。青年期や成人後のつらい感情も付加されていく。その大半はエゴの声が生み出したものだ。人生のベースに間違った自己意識があると、感情的な痛みという道連れは避けがたい。
ほとんどすべての人がもっている古くからの、しかしいまも生き生きと息づいているこの感情のエネルギー場、それがペインボディである。
(『ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる-』156〜157ページ)
「ナイフみたいにとがっては 触るものみな 傷つけた」のような
ペインボディの「発動」は、
私たちの普段の生活でも、よく見ることができます。
例えば、
「触るものみな イラッとする」友人、
「触るものみな 反論する」部下、
あるいは「触るものみな 否定する」上司やクライアントなど・・・
もしかすると、あなた自身にも、思い当たるところがあるかもしれません。
あなたの近くの誰かがペインボディを発動して、ネガティブな言動をしているとき、
その言動を責めたり批判しても、長期的には、ほとんどなにも解決しません。
なぜなら、その言動を止めたとしても、ペインボディそのものは生き続けていて、
何かのキッカケで、ネガティブな言動が再びわき起こってくるからです。
誰かのペインボディそのものを治してあげようとする必要はありません。
ペインボディを最終的に治すことができるのは、その本人しかいないからです。
もちろん、ペインボディの発動によって家庭内暴力が引き起こされるなど、
誰かの心身に危害が及ぶ可能性があるなら、然るべき対応をとる必要があります。
しかし、そこまで事態が深刻ではないとき、
例えば、いつもイライラしている同僚や、非協力的な部下、あるいは批判的な上司がいるという程度のことなら、
「あぁ、この人もペインボディを抱えて生きているんだなぁ」と、
その状況を俯瞰して見て(ある意味では「上から目線」ともいえますが・・・)、
「この人のペインボディはどんなエネルギーからできているんだろう?
どうすればこの人のペインボディを刺激せずに、良好な関係が作れるだろう?」などと考えてみると、
あなた自身が余計なストレスを感じなくて済みますし、状況を良くするためのアイデアも浮かんできやすくなります。
仕事でもプライベートでも、「扱いが難しい人」の相手をするときには、
まず相手のペインボディに気づくところから始めてみましょう。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。