3年間続けてきたビジネスを止めることにしました。
止めることを決めた理由はいくつかありますが、いちばん大きな理由は「情熱を注ぎ込めるものを事業の中心に据えていなかった」ことです。
私がビジネスに対する情熱を持っていなかったということではありません。
そのビジネスが、「狂気」とも言えるほどの情熱を注ぎ込めるものではなかったのです。
なにかをやると決めて、実際にそれをやり続けることが「100%」の情熱とするなら、
なにかをやると決めたけど、やり続けられないのは「50%」の情熱。
なにかをやると決めて、朝から晩までそのことだけに没頭して、ずっとやり続けられるのが「150%」の情熱。
なにかをやると決めて、たとえお金をもらえなくても、誰かに反対されようとも、そのことを寝ても覚めてもやり続けるのが、狂気とも言える「200%」の情熱。
ビジネスを大きく成長させるには、100%の情熱では足りません。
150%の情熱を持ってビジネスに臨んでいる競争相手が、たくさんいるからです。
そして、激しい競争のなかで、自分だけのユニークな価値を創り出して、お客さんに受け入れてもらうためには、200%の情熱が必要です。
狂気のような情熱に欠けたビジネスには、次々と問題が起こります。
問題や障害に直面すると、行動や判断に「迷い」が生まれます。
困難な状況で、周りの人たちを説得したり奮い立たせることができません。
提供する商品やサービスの価値を、市場やお客さんに受け入れてもらえるまで、何度も何度もリサーチと仮説検証を行って改良していく「粘り」を発揮することができません。
もちろん、情熱だけでビジネスがうまくいくほど、ビジネス社会は甘くありません。
ビジネスを成長させ、利益を生み出すための仕組みが欠かせないからです。
しかし、情熱に欠けたビジネスが仕組みだけで成長していくほど、ビジネス社会は「非人間的」でもありません。
ビジネスは、情熱(ココロ)で価値を創り出し、論理(アタマ)で仕組みを作るもの。
論理(アタマ)で価値を創り出したビジネスは、いくら仕組みをしっかりと作っても、結局うまくいかないことが、自ら経験してはじめて腑に落ちました。
でも、この経験は次のステップにも活かせますし、ビジネス以外のことでも応用できます。
もしあなたも、ビジネスに限らず、やろうと決めたことがうまくできないという状況にいるなら、情熱(ココロ)と論理(アタマ)のバランスが崩れていないかどうか、セルフチェックしてみてはいかがでしょうか?
自分のなかに「狂気のような情熱」がないことが分かったなら、それはそもそも、限りのある人生において、あなたがやる必要のないことかもしれません。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。