選ばれるビジネスを生むアイディアのつくり方 – (1)足す

発想

 

こんにちは、廣世悟です。

 

他とは違う存在になって、お客様に選んでもらえるビジネスを創り出すには、どうすればいいのでしょうか?

 

アイデアのつくり方』の著者であるジェームズ・W・ヤングは、『アイデアとは既存の要素新しい組み合わせ以外の何ものでもない』と看破しています。

これが、選ばれるビジネスの創出において、一番大事な考え方です・・・と言われたとしても、何をどうすればいいのか、ちょっと具体的なイメージが湧きにくいですよね。

「既存の要素」が、世の中にすでに存在しているモノゴトであることは明らかですが、「新しい組み合わせ」には、「足す」ことだけでなく、引いたり、ズラしたり、反対にしたり・・・と、たくさんのバリエーションがあります。

いくつものパターンを駆使することで、競合とは違う価値を生み出し、お客様に選ばれるビジネスが創り出せます。

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いろいろとあるパターンの中でも、まず最初にキッチリ押さえておきたい一番の基本パターンは、「足す」方法です。

現在の商品・サービスに、異質のものを加えて、ユニークな商品・サービスに変えることです。

iPodに、携帯電話とネットブックの機能を付け加えた「iPhone」が、私たちに馴染みのある具体例の一つですね。

 

この方法、既にあるものを足すだけなので、紙とペンがあれば、いつでもどこでもできます。

考えこむ必要すらありません。2~3分間、ちょっとした気分転換のように、手軽に取り組めます。

 

例えば、「和菓子」と「スポーツジム」を題材にして、アイディアを出してみると・・・

 

  • 欧米発祥のイベント(ハロウィーン、イースター、クリスマス)向けの和菓子
  • 空輸できる和菓子
  • 食べる直前に完成させる和菓子

 

  • フードコートのあるスポーツジム
  • カルチャークラブを併設したスポーツジム
  • 天然温泉のあるスポーツジム

 

「異質のもの」は、現在の商品・サービスの特徴・機能から連想できるもの(例えば、和菓子→スイーツ、スポーツジム→人が集まるところ)でもいいですし、まったく関係性のないものでも構いません。雑誌や新聞で、ランダムに選んだ言葉でもいいですね。「えぇっ!」とビックリする意外性のあるものが、発想を刺激してくれて、楽しくなります。

 

この「足す」方法、思考回路にかかる負担は小さいので、飲み会の余興としても楽しいです。

お酒でリラックスしている状態のほうが、突拍子もないアイディアが出しやすくなるという一面もありますしね。

ただ、世界を変えるようなビック・アイディアが突然飛び出すかもしれないので、メモの用意はお忘れなく・・・。

 

出てきたアイディアが、バカげていても、実現可能性が低くても、構いません。そのアイディアが、次の新しいアイディアを生み出します。

それに、アイディアをたくさん持っていて、損をすることはありませんし、アイディアをたくさん出すことで、批判されることもありません。とにかく、「数」を出し続けることに、意義があります。

 

そして、一見して「ありえない」という組み合わせこそ、ビック・アイディアに化けるポテンシャルがあるという見方もできます。

「ありえない」と感じる理由の背後にある制約条件を解消すれば、今までに無かったものが生まれるからです。

その意味では、業界の常識やしきたり・慣習に反するアイディアこそ、差別化のカギになると言えます。

 

アタマの中で過激なアイディアを出したところで、誰にも迷惑はかけません。

「これは、ちょっと、ありえないよな・・・」というアイディアを思いっきり出して、その違和感を楽しみ、思考回路を刺激し続けることから、まず始めてみましょう。

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。