先日、電車で「漁師.jpで検索」という広告を見かけて、思わず検索しました。
だって、「漁師.jp」ですよ。
検索ワードというより、ドメインそのものじゃないですか。
ドメイン名で検索をさせるというセンス(の無さ?)に、惹きつけられました。
「漁師.jp」は、新規就業者の発掘や就業支援を行う団体である、全国漁業就業者確保育成センターが運営するサイトです。
就労機会を提供しながら、漁業従事者の高齢化を是正するという、漁業分野でのセーフティネット的な役割を狙いとしているようです。
農業・林業・漁業。
日本の第一次産業は、「衰退産業」と言われて久しいです。
需要の減少や輸入品の増大で、厳しい環境が続いています。もし日本がTPPに加盟するなら、さらに厳しくなります。
ただ、産業の衰退は止められなくても、第一次産業が国内から完全に無くなることはありません。
儲かるかどうかは別として、ユニークな試みで、違う価値を創出する余地はあります。
例えば、林業では・・・
「◯◯女子会」って、響きがキャッチーなこともあって、いろいろな分野で見かけるようになりました。第一次産業も、例外ではありません。
林業女子会、京都のほかにも、静岡、岐阜、東京、栃木、石川、長崎で開催されています。
林業女子会@京都のフリーペーパー「fg」、不定期発行ですが、なかなかの完成度です。
林業ビジネスの発展を狙いとしたカンファレンスです。過去2回、高知と東京で開催され、今年は北海道で開催予定。
「30代まで」という年齢制限が設けられているところ、本気度の高さを感じます。年寄りは口出しするな、ってことでしょうね。保守層に牛耳られ、革新性が失われている第一次産業を変えるには、これくらいの気概が必要ですね。
「食」と「住」に深い関わりを持つ第一次産業は、人類の誕生以来、ずっと続いている産業です。
第一次産業に関わることで、ホモ・サピエンスへの回帰というか、人間の原点に戻ったような安心感が得られます。
自然に生かされている喜び、自然と共に生きる喜び。
「人間という存在を、その根源的なレベルで癒してくれるもの」という観点で第一次産業を捉えると、新しい事業創出のヒントが生まれてきそうですね。
神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。