「高齢者」の英語学習法(2)

英語学習

 

英語の「ストレス学習法」の続きです。

 

学習効果を高めるために「脳に負担をかける」と言っても、興味が湧かないことは、続けられません。まず、学習用の教材として、自分が得意な分野や、好きなテーマで、英語の原書を1冊選んで下さい。以前に日本語訳を読んで、面白いなぁと思った本の原書が最適です。面白くない本は絶対に読み続けられないので、本の選択においては、できる限りリスクを軽減しましょう。

既に読んだ本をもう一度買うなんて・・・と思われるかもしれませんが、そこは英語学習の教材ということで、割りきりましょう。手元に日本語訳を持っていれば、後日学習を進めるうちに、どうしても意味が分からない箇所が出てきたら、訳文を参照することもできます。

 

大事なチェックポイント

英語学習に使うための本を選ぶには、もう2つのチェックポイントがあります。その原書のKindle(キンドル)版が出版されていることと、さらにAudibleでその原書の完全版(英語では”unabridged”と表記)オーディオブックが販売されていることです。この2つに該当しない英語の原書は、選ばないようにしてください。

「ストレス学習法」の最大のポイントは、同じタイトルの本を、Kindle(電子書籍)とAudible(オーディオブック)の両方で購入し、スマートフォンにダウンロードして、移動時間などに「両方を同時に読む/聴く」ことにあるからです。

 

アプリの入手

Kindle(キンドル)は、ご存知の通り、米国アマゾンが提供している電子書籍リーダーです。Kindle Paperwhiteなどの端末を買わなくても、iOS/Android対応の無料アプリをダウンロードしてアマゾンのアカウント情報を登録すれば、アマゾンのサイトで購入したKindle対応の電子書籍を読むことができます。

Audible(http://www.audible.com)は、1999年以来オンラインでオーディオブック、音声版雑誌・新聞を販売している会社で、現在、10万を超えるタイトル数のオーディオブックが揃っています。購入したオーディオブックは、Kindle同様、iPhone/Android対応のアプリか、Windows/Mac用のPCアプリで聴けます。ちなみにこの会社は、2008年に米国アマゾンに買収され、子会社になりました。

Audibleのアカウントを持っておられない方は、オーディオブックの購入前に、アカウントを作りましょう。もし米国アマゾンで別にアカウントを持っていれば、そのアカウントをAudibleでも使うことができます。

 

一石三鳥

無事にKindle本とオーディオブックが購入できたら、それぞれスマートフォンにダウンロードしましょう。もちろん事前にアプリのインストールをお忘れなく。

Audibleアプリでオーディオブックを再生しながら、Kindleアプリで対応する原文を目で追っていきます。途中で、どこを読み上げているか分からなくなったら、Audibleの再生スピードを下げて、あせらずに該当する箇所をKindleで探しましょう。

この学習法の最大のメリットは、リーディング能力とリスニング能力を同時に強化することができるところです。同時に、発音とリズムも体得することができるので、スピーキング能力の基礎も固められます。

 

辛くても繰り返す

「と言われても、難しい英単語なんか知らないし、聴いていても全然意味が分からないんだけど・・・」

最初は、分からなくて当然です。でも、ここで辞書を使わないこと。意味が分からなくても、何度も何度も繰り返し聴いて、発音とスペルを目と耳で覚えることが大切です。「章(Chapter)」単位に分けて、何度も繰り返しましょう。そのうちに、なんとなく、こんな意味じゃないかな?というイメージが湧いてきます。その感覚を大事にしましょう。私たちが育ってきた過程で、日本語の言葉も、そうやって覚えてきたはずです。

辞書で意味を調べるのは、そのイメージが浮かんできた後にしましょう。目と耳ですでに覚えている単語なので、たとえ自分が感じたイメージが本来の意味とは違っていたとしても、正しい意味がスッと頭に入ってきて、記憶にも残りやすいです。

 

1ヶ月でも効果あり

インプットがなければアウトプットできないのは、語学の習得においても同じです。

いきなり英会話学校に行っても、元々のインプットがなければ聞き取れないし、話せないので、お金と時間のムダになってしまいます。英会話学校に通う前に、1ヶ月間で構わないので、毎日30分、「ストレス学習法」を試してみてください。最初のレッスンで、自分のリスニング力が伸びていることに、ビックリするはずです。

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。