Depth Year:「深さ」の追求は現代社会への反抗?

アイデア

 

前回の記事で、2018年は「深さ」を追求する年(Depth Year)にするというお話をしましたが、

そもそも、「より深く」というテーマを追求したいと思ったのは、

現代社会が私たちに与えている「社会的洗脳」と「没個性化」という影響を冷静に見極めて、

私たちが「より良く」生きていくための糸口を探りたいからです。

それぞれのキーワードを、もう少し詳しく説明します。

 

社会的洗脳

「より深く」というテーマに基づいて具体的に何をするかは人それぞれですが、

例えば「新しいものを買わない」という基本方針だけでも、日々の情報収集や思考、判断のパターンが大きく変わります。

まず、私たちがつい無意識に持ちがちな「新しいものはより良いもの」という先入観に気づきます。

もちろん、「新しいものがより良いもの」であることも多々あるのですが、それを無条件に信じ(盲信し)反射的に買ってしまうことは、

現代の消費社会にまん延している、どんな手段を使ってでも新しいものを人々に買わせようとする、企業や売り手の洗脳メッセージにとらわれていることに他なりません。

そのような環境で、「新しいものが発売されたけれど、これは自分にとって本当に必要なものなのだろうか?」といったような意識的な思考を介入させることは、

メディアに溢れる洗脳メッセージから離れて、私たち一人一人の価値観に従って、私たちの生活の質を変えるキッカケになります。

 

没個性化

「より多く、より広く、より新しく」という消費社会の潮流は、時と共に移り変わる流行へと私たちの意識を向けさせ、近視眼的な思考を促します。

つまり、「より多く、より広く、より新しく」を追求すればするほど、他の誰かと似たような考えを持つようになり、私たちの個性がコモディティ化してしまうリスクがあります。

一方で、消費社会へのアンチテーゼである「より深く」という指針は、個性を際立たせて、ユニークな存在を創り上げることにつながります。

例えば、あなたが交流会や懇親会に参加したとして、

あなたが既にどこかで見聞きしたことのあるような最新の時事ニュースやガジェットの情報をひたすら話し続けている人と、

あなたが全く未知の分野について、あなたの人生に役立てることができそうなトピックを、分かりやすく面白く語ってくれる人の、

どちらとより親しくなりたいと思うでしょうか?

そして、あなたの実際の人間関係において、どちらのタイプの人が多いでしょうか?

その答えが、あなたがいま、「より多く、より広く、より新しく」という現代社会のパラダイムと、

「より深く」というパラダイムのどちらに存在しているかを、如実に物語っているかもしれません。

 

今後このブログで「より深く」を追求していくアイデアやプロセスを公開していくにあたって、

現代社会ではごく当たり前と思われていることに対しての「批判」と思えるような内容も出てくるかと思います。

言い換えれば、

「より多く、より広く、より新しく」というパラダイムが「より良い」人生につながると確信しておられる方々には、

「より深く」というパラダイムが「より良い」人生につながるという見解は、

受け入れがたいことがあるのではないかと思います。

 

ただ、そのような見解の相違も、建設的なディスカッションへと発展できればなぁと考えていますので、

様々なフィードバックをいただければ幸いです。

 

では、今回はこのくらいで。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。