日本人の英語の発音を良くする3つのポイントとは?〜高齢者の英語学習法 2015年版 (1)

英語学習

日本人の英語の発音には独特のクセ、いわゆる「日本語訛り」があると、よく言われます。

私自身、過去に何度も、外国人から「日本人訛り」を指摘され、そのたび発音の矯正に取り組みました。

 

英語の上級者でも、日本人訛りの英語で構わないと主張する方がおられます。

しかし、そのような英語を話していると、日本人訛りに慣れていない相手に強いストレスを与えてしまうのも事実です。

日本人訛りでも構わないと開き直るのではなく、できる限り、外国人にも聞き取りやすい英語を話すべきです。

 

一般的に、ある程度の年齢を超えると、日本人訛りの発音を直すのは難しいと思われています。

しかし、英語の正しい発音をマスターすることは、マラソン大会に出場するためにランニングをしたり、ウエイト・トレーニングで身体を鍛えるよりも、はるかにカンタンです。

3つのポイントを押さえて発音の練習を繰り返せば、誰でも短い期間で、日本人訛りの発音を直すことができるのです。

 

ポイント1:日本語にない母音と子音の発音をマスターする

日本の英語教育では「L」と「R」の発音の違いがしばしば話題になりますが、この2つ以外にも、日本語にない英語の発音はいくつもあります。

例えば、子音では「TH」(上前歯と下前歯のすきまに舌先を当てて音を出す)、「F」(日本語の「H(は行)」の発音とは違い、上前歯と下唇のすきまから音を出す)、「W」(日本語の「W(わ行)」の発音より、もっと唇を突き出す)など。

また、母音では「アとエの中間音(ae)」、「あいまい母音」などがあります。

これらを初めとする、日本語では使われていない英語の発音をしっかりとマスターするだけでも、かなりの進歩が実感できるはずです。

しかし、これだけではまだ十分ではありません。

 

ポイント2:「発音のし過ぎ」を直す

実は、外国人の耳には、日本人が話す英語は「発音のし過ぎ」に聞こえています。

ここでの「発音のし過ぎ」とは、本来存在していない音を、英語の中に入れてしまっていることを意味します。

日本人の場合は特に、存在していない「母音」を含めてしまう傾向があります。

例えば、「T-shirt(Tシャツ)」という単語を発音してみてください。

最後の音は子音の「t」ですが、いわゆる日本人訛りの英語では、これに母音の「u」が加わり、「tu(ツ)」という発音になっています。

このような「余計な音」を入れないようにするためには、英語の発音記号をしっかり復習して、単語の正しい発音を繰り返し練習して覚えるしかありません。

日本語の発音体系に合致している「ローマ字」を学んでいる私たち日本人は、単語のつづり(スペル)だけを見て発音すると、つい「ローマ字」的な発音、つまり日本人訛りの発音をしてしまうからです。

そして、単語ごとの正しい発音をマスターすることは、3番目のポイントである「発音の変化」に対応するためにも欠かせません。

 

ポイント3:単語と単語のつながりから生じる発音の変化を知る

英語の発音が日本人にとって難しく感じる最大の理由は、単語の発音が、単独で発音するときと、まとまりのある一つの文章の中で発音するときで、変わってくることです。

例えば、「He tells me that I’m Japanese.(彼は私が日本人だと言う)」という文章の「that I’m」という箇所の発音を見てみます。

これらを単独で発音すれば、「ザット」「アイム」になります。

しかし、ネイティブ・スピーカーにとって自然なスピードでこの文章を話すと、この2つの単語がつながって、「ザダイム(the dime)」と聞こえる発音に変化するのです。

このような発音の変化にはパターンがいくつもあるので、日本人訛りを完全に克服するためには、「文章」単位での発音練習が欠かせません。

このとき、自分が快適だと思うスピードよりも「かなり早め」のスピードで発音の練習をすると、さらに効果的です。

 

オススメの教材

日本語訛りの英語の発音は、何歳であっても、毎日の練習によって直すことができます。

 

アメリカ英語の発音をマスターしたい方には、「American Accent Training」という教材がオススメです。

テキストがすべて英語で書かれていますが、英語を第2外国語とする人たち向けに書かれているので、比較的分かりやすい文章になっています。

また、付属のCDでは、テキストの文章が音声で聴けるので、ヒアリングの練習にも効果的です。

 

あなたに合った教材を選び、この記事で述べた3つのポイントを意識して、練習に取り組んでみてください。

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。