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クラウドソーシングは「黒船」か、それとも「救世主」か

 

こんにちは、廣世です。

最近、海外のクラウドソーシングサービスを使う機会が増えています。

先日も、デザインに特化したクラウドソーシングサービス99designsで、コソボ共和国に住むデザイナーに、僕の会社の新しいロゴを作ってもらいました。

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さらにUpwork(旧oDesk)やFreelancerでは、海外市場のリサーチや文献翻訳、英文ライターの手配、iPhone・Macアプリの開発などなど、幅広い内容で海外の人材を探すことができて、助かっています。

 

日本のビジネス界でも「クラウド」は存在感を増しています。

クラウドワークスなど、Upwork(旧oDesk)やFreelancerの日本版サービスが次々と誕生しています。freeeマネーフォワードなど、クラウド会計サービスの利用者も着実に増えています。

 

「クラウド」は、導入された業界に、着実に変化を起こしています。

もっとも分かりやすい変化は、やはり価格です。

クラウドソーシングサービスが登場した業界では、ブラックボックス化していた価格設定が暴かれることで、価格競争が始まります。

それまでその業界で活躍していたプレイヤーたちは、クラウドソーシングを活用し始めた取引先からの値下げ圧力に対して、高い価格設定の根拠を証明しなければなりません。

「クラウド」はさらに、業界の構造も変えつつあります。

例えばクラウド会計サービスは、それまで専門家の仕事とみなされていた会計記録の作成を、誰でも分かりやすいものに変えました。

クライアントの会計記録を毎月作ることで顧問料を得ていた会計士・税理士たちは、いまやクラウド会計サービスを広めるための「営業部隊」と化しています。

さらに、米国イントゥイットが提供している確定申告ソフトTurboTaxのように、専門知識がなくてもオンラインで税金の申告書が作れて、煩わしい事前設定なしでカンタンに税金のオンライン申告が行えるサービスが登場すれば、まったく異質の業界になってしまうでしょう。

 

確実に「クラウド」は、既存の業界に脅威を与えています。

「うちは、クラウドソーシングなんかで仕事を探している連中とは違うから」

そう言う既存のプレイヤーたちは、ほんとうに「違う」のでしょうか?

 

専門知識・語学力を備えた人材や会社なら、国境を越えて世界中から仕事を取ることができるのが、クラウドソーシングサービスが持つ大きなパワーであり、メリットです。

そんな人材や会社は、国内の市場に留まる人材・会社とは、確かに違います。どちらが優れているとか劣っているということではなく、勝負するステージと戦い方がまったく違うということです。

国内の会社が、国内のクラウドソーシングサービスで仕事を探している人材や会社と比較して、「うちは、クラウドソーシングなんかで仕事を探している連中とは違うから」と見下すのは、しょせん国内市場での戦いをしているに過ぎません。

問題は、海外のクラウドソーシングサービスに対しても同じように「うちは、クラウドソーシングなんかで仕事を探している連中とは違うから」と言える時代がいつまで続くのかということです。

 

「人」が関わる分野における内外価格差は、すでに、個人事業主や小さい会社の経営努力ではどうにもならないほど大きくなっています。

さらに業種によっては、「いやいや、仕事のクオリティはまだまだ日本がトップでしょ・・・」とも言い切れなくなっています。

専門知識・語学力を備え、グローバルな激しい競争の中で仕事を獲得している人材や会社が、スキルと実績を積み重ね、急激に成長しているからです。

 

こう言うと、言葉の壁を理由にして、脅威を否定しようとする人たちがいます。

確かに価格は低い、スキルと実績も遜色ないかもしれない。でも、日本には語学力が低い人が多いから、英語が必要な海外のクラウドソーシングサービスは使えないでしょ・・・と。

しかし、英語学習の業界にも「クラウド」が登場しています。動画やスカイプを使ったオンライン英会話スクールが登場して久しく、いつまでも日本人の語学力が低いままであるとは限りません。いつでもどこでも英語が学べる環境が整っている時代ですから、怠惰でさえなければ、誰でも英語でコミュニケーションをとるためのトレーニングができます。

そもそも、海外のクラウドソーシングサービスに登録している人材や会社は、英語を母国語にしない人たちが多いです。僕が99designsで実際に仕事をしたコソボ共和国のデザイナーなど、英語のライティングスキルは日本の中学生並みでした。私たち日本人はもっと、自信を持っていいんです。

 

自社の業界にクラウドソーシングサービスが登場し、業界が変わり始めてからも国内市場に留まりたいならば、今までの延長線とは違う方向へ進むしかありません。

  • 国の法律で守られている規制業種に逃げ込むか。
  • 実力を備えて、国外市場にも打って出るか。
  • 逆にクラウドソーシングサービスを利用して、飛躍するか。
  • それとも、新しい業態、新しいビジネスを創り出すか・・・。

いずれにせよ、求められる変化のスピードは、かなり速いことを覚悟しなければなりません。

 

それでは、また!

 

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Published in ビジネスモデル