「毎日腹筋100回」というムダで意味のない行為

肉体改造

 

ある知人が、腕立て伏せと腹筋を毎日100回ずつやっていました。

僕が本格的な筋トレを再開したという話を聞いて、彼が相談のメールを送ってきました。

本人いわく、毎日やっているわりには、なかなか筋肉が増えないので、どこがおかしいのかアドバイスしてほしいと。

 

トレーニング中の映像をYouTubeに上げてもらって、フォームをチェック。

問題点は、すぐに明らかになりました。

 

1.動かしている範囲が狭い

彼の腕立て伏せは、上下動がせいぜい10センチくらい。

腹筋運動も、上体をちょっと起こして、すぐに戻すという、とても小さい動きでした。

筋肉がもっとも強いチカラを発揮するポイントに到達していないので、どれだけ回数をこなしても、ほとんどトレーニングの効果が得られていなかったのです。

まず、深く、大きな動きへ、フォームを変えることをアドバイスしました。

 

2.動きが早すぎる

加えて、彼の腕立て伏せも腹筋も、1秒で上げて、1秒で下げるという、とても早い動きが伴うものでした。

これでは、筋肉にチカラがかかる時間が短すぎて、トレーニングの効果が上がりません。

スピーディに上げるのは構わないけれど、腕立て伏せで身体を下ろすときの動き、そして腹筋運動は上体を床に戻すときの動きを、ゆっくりと、10秒くらいかけることをアドバイスしました。

 

アドバイスした翌日、彼から「苦情」のメールが届きました。

 

「筋肉への負荷が強すぎて、これじゃ10回も続けられないじゃないか!いままでは100回できてたのに!」

 

彼には、こう返事しました。

 

「トレーニング、お疲れさまです!

10回しかできないってことは、新しいフォームが、それだけ筋肉に効いてるってことなので、しばらく続けてみて。

効かないフォームで、ただ回数をこなしても、筋肉は増えないし、強くならないから、トレーニングをやってる意味がないよ。」

 

彼のアタマの中には、「筋トレは回数をこなすもの」という誤解がありました。

10回で筋肉が疲労してしまい、それ以上続けられなくなるトレーニングの方が、筋肉を増やすという目的に合致しているのに、筋肉への負担が小さくても「回数をこなす」ということが目的になっていたのです。

 

こういう「目的の誤解」って、ビジネスでもしばしば起こりがちです。

知的労働者の「長時間労働」は、その典型的な例ですね。

アタマに負荷をかけて、仕事の段取りを徹底して行い、求める成果を上げるために集中して仕事に取り組むのが本来の知的労働者の姿なのに、朝から晩まで効率の悪い仕事をしている・・・

 

アタマをフル回転させた状態で、10時間も、12時間も、仕事をやり続けることはできません。

筋肉に強い負荷がかかる「正しい」フォームで、腹筋が100回続けられないのと、同じです。

脳の思考回路に強い負荷をかけていないから、あるいは、強い負荷をかけなくても済むから、いつまでもダラダラと仕事が続けられるのです。

 

ビジネスで求める成果がなかなか得られないときは、成果を得るために必要な「負荷」をしっかりとかけているかどうか、自問してみましょう。

 

 

神戸を拠点に活動するビジネスコンサルタント。アメリカでの7年間の勤務経験を含め、これまで色々な業界で、30を超える国・地域でプロジェクトに関わる。遊びで始めたInstagramへの投稿がきっかけになり、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしても活動。