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墓場に持って行きたい本 #3 – 『アート・スピリット』

 

こんにちは、廣世です。

 

『墓場に持って行きたい本 100選』、通称『墓100』、3冊目です。

 

アート・スピリット』ロバート・ヘンライ著

http://www.amazon.co.jp/dp/433605410X

 

いままでになかった新しい事業を創造する試みは、芸術活動と通じるものがあります。

誰も思いつかなかった事業のコンセプトは、人間の想像力から生み出された芸術(アート)であり、それを生み出した起業家・企業家は、まさにアーティスト。

 

『アート・スピリット』は、1923年に、アメリカの画家ロバート・ヘンライが、美術を学ぶ学生たちに向けて書いたアドバイス集です。

本書は、もともと画家を志す学生向けに書かれた本でもあり、描画テクニックの記述が豊富ですが、それ以上に芸術家としての「心構え」と「在り方」の記述の峻烈さが際立っています。

その記述は、本文中の「芸術(作品)」という言葉を、「事業」や「アイディア」と読み替えれば、現代の起業家向けのアドバイス集に変わるほどに、普遍性があり、時代を越えるものです。

 

著者は、冒頭のはしがきからいきなり「ここにあげた意見に読者のすべてが賛同するとは思わないし、助言にしたがう必要もない。ここに書かれたことに腹が立って、まったく反対の行動をとりたくなっても、それはそれでかまわない」と断言。

「美や幸福にいたる道筋は一つではない」から、と。

芸術家に向けた発言でありながら、現代の起業家にも通じる精神が、ここからも感じられます。

 

この本のベースには、著者ロバート・ヘンライの、読者に対する無条件の愛情と信頼があります。

彼は、読者に向けて、こう言います。

「傑作を生みだせ―きみ自身と同じくらいの傑作だ」

「何かをとことんまで突き詰めるのは楽しい。人生とは自分を見出すことだ。それは魂の成長である。」

 

自分の生命と想像力を注ぎ込んで、この世に無かったものを創りだす。

命が尽きる、その瞬間まで。

アイディアを生み出すこと、そしてアイディアをカタチにすることがライフワークと思い定めている自分にとっては、当然『墓100』に入れるべき一冊です。

 

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Published in 洋書レビュー